【50代のリアル】夜中に目が覚めるあなたへ。睡眠の不安を解消する「7つの習慣」

心療内科医の保坂隆先生が書かれた『50歳からのこれでグッスリ!!眠りの習慣』
出典:『50歳からのこれでグッスリ!!眠りの習慣』

最近、睡眠のことで悩んでいませんか?「寝つきが悪くなった」「夜中に何度も目が覚める」「朝早く目が覚めてしまう」…。もし心当たりがあるなら、それは決してあなただけではありません。

私も50代になってから、若い頃には考えられなかった睡眠の悩みを抱えるようになりました。そんな時、心療内科医の保坂隆先生が書かれた『50歳からのこれでグッスリ!!眠りの習慣』という本に出会いました。この本は、シニア世代の眠りの悩みに寄り添い、具体的な解決策を提示してくれる、まさに“心の処方箋”のような一冊です。

このブログでは、私が実際にこの本を読んで感銘を受けたポイントや、すぐに実践できる快眠メソッドを分かりやすく解説していきます。

この記事を読めば、あなたの睡眠に対する不安が少しでも軽くなり、今日からでも質の高い眠りを手に入れるヒントが見つかるはずです。ぜひ最後までお付き合いください。

なぜ、歳をとると眠れないのか?

不眠症

まず、多くのシニア世代が抱える「眠れない」という悩みは、決して珍しいことではありません。その根本的な原因を私たちの身体と心の変化に求めています。若い頃のようにぐっすり眠れないのは、単なる気のせいではなく、加齢に伴う自然な現象なのです。

歳をとると、私たちの体内時計やホルモンバランスに変化が起こります。若い頃はしっかりと働いていた「睡眠を促すシステム」が、年齢とともに少しずつ衰えてくるのです。このシステムがうまく機能しないと、眠りが浅くなったり、夜中に何度も目が覚めたり、朝早くに目が覚めてしまったりする「中途覚醒」「早朝覚醒」といった症状が現れます。

さらに、社会的な役割の変化や健康への不安、孤独感といった心理的な要因も、不眠の大きな原因となります。これらの要因が複雑に絡み合い、「眠らなければ」という焦りやストレスを生み出し、ますます眠れない悪循環に陥ってしまうのです。こうした状況を冷静に分析し、その上で「シニアは長時間眠れなくて当たり前」という、私たちをホッとさせてくれる視点を持つことが大切です。

知っておきたい!眠りの常識

歳をとると、睡眠時間は短くなるのが自然です。日本人の平均睡眠時間は、20代で7~8時間だったものが、60代になると6時間台にまで減ると言われています。無理に長時間眠ろうとせず、ご自身の身体に合った睡眠時間を受け入れることが、不眠のストレスを減らす第一歩となります。

眠れない原因は「睡眠力」の衰えにあり

保坂先生は、加齢に伴う眠りの変化を「睡眠力の老化」という言葉で表現しています。この「睡眠力」とは、ただ単に長時間眠ることではなく、日中に活動し、夜になると自然に眠くなるという、身体が本来持っている能力のことです。

若い頃は、この「睡眠力」が強いため、特に意識しなくてもぐっすり眠ることができました。しかし、年齢を重ねるにつれて、身体の機能が全体的に衰えていくのと同じように、「睡眠力」も少しずつ低下していきます。このため、以前と同じような生活をしていても、眠りの質が落ちてしまうのです。

しかし、絶望する必要はありません。この「睡眠力の老化」を受け入れつつ、正しい知識とちょっとした工夫で、眠りの質を回復させることは十分に可能だと教えてくれます。それは、若い頃の睡眠を取り戻すことではなく、今の自分の身体に合った、最適な眠り方を見つけることなのです。

睡眠の質を劇的に上げる7つの習慣

睡眠の質改善

ここからが本題です。今日からでも実践できる7つの快眠習慣をご紹介します。これは、眠れない夜の不安を解消し、質の良い睡眠を手に入れるための具体的な行動指針となります。

  1. 規則正しい生活リズムを確立する
    体内時計を整えることが、快眠の第一歩です。毎日同じ時間に起きて、同じ時間に寝ることを心がけましょう。たとえ夜中に目が覚めても、朝は決まった時間に起きるようにしてください。休日に寝だめをすると、体内時計が乱れてしまい、かえって月曜日の朝に辛くなってしまいます。
  2. 日中に適度な運動を取り入れる
    軽いウォーキングやストレッチなど、無理のない範囲で体を動かすことが重要です。日中に体を動かすことで、夜には自然な疲労感が生まれ、入眠がスムーズになります。ただし、寝る直前の激しい運動は、かえって交感神経が優位になり、眠りを妨げてしまうので注意が必要です。
  3. 眠るための環境を整える
    寝室は、眠るためだけの場所と割り切りましょう。テレビやスマートフォン、パソコンは寝る1時間前には見ないようにしてください。照明は暖色系で暗めにし、自分にとって快適な温度や湿度を保つことが大切です。
  4. お風呂の入り方を工夫する
    寝る1?2時間前に、ぬるめのお湯にゆっくりと浸かるのがおすすめです。体温が一度上がり、その後徐々に下がっていくタイミングで眠気が誘発されます。熱すぎるお風呂は、かえって身体を興奮させてしまうので避けましょう。
  5. 質の良い食事を心がける
    特定の栄養素(トリプトファンなど)を含む食品は、睡眠を助ける効果があります。バナナ、牛乳、大豆製品などを積極的に摂ると良いでしょう。逆に、寝る前のアルコールやカフェインは、眠りを浅くしたり、覚醒作用があるため控えるようにしてください。
  6. 昼寝は短時間にとどめる
    昼間に眠気を感じたら、無理に我慢する必要はありません。ただし、長すぎる昼寝は夜の眠りを妨げます。理想は、午後3時までに20分程度の短い昼寝です。これによって、日中のパフォーマンスが向上し、夜の睡眠にも良い影響を与えます。
  7. 眠れない夜の「過ごし方」を身につける
    「眠らなければ」という焦りは、さらなる不眠を招きます。もし布団に入って20?30分経っても眠れない場合は、一度布団から出て、リラックスできることを試してみましょう。例えば、温かい飲み物を飲んだり、静かな音楽を聴いたり、読書をしたりするのも良いでしょう。眠くなってから再度布団に戻ることが大切です。

眠れない夜の不安を解消する「心の持ち方」

ポジティブ思考

睡眠の悩みを解決するには、心の持ち方を変えることが非常に重要です。不眠の根本には、ストレスや不安が隠されていることが少なくありません。

「ぐっすり眠れない私はダメだ」と自分を責めるのはやめましょう。まずは「眠れない日もあるよね」と、ありのままの自分を受け入れることが大切です。完璧な睡眠を目指すのではなく、今の自分にできることから少しずつ始めてみましょう。

また、日中に楽しいことや、心を満たしてくれる時間を意識して作ることも有効です。心と身体の健康は密接に関わっています。趣味に没頭したり、友人や家族と話をしたり、笑ったりする時間を持つことで、ストレスが軽減され、それが良い眠りへと繋がります。

睡眠を深くする「食べ物」と「飲み物」

睡眠を深くする「食べ物」と「飲み物」


食事は睡眠の質に大きな影響を与えます。特定の栄養素や食材を意識して摂ることで、睡眠をサポートすることができます。

トリプトファン:牛乳、チーズ、大豆製品、ナッツ類、バナナなどに多く含まれるアミノ酸。睡眠ホルモンである「メラトニン」の原料となります。夕食や寝る前に摂ることで効果が期待できます。


GABA:アミノ酸の一種で、リラックス効果があります。発芽玄米、トマト、じゃがいも、かぼちゃなどに含まれています。


カルシウム:神経の興奮を抑え、精神を安定させる効果があります。乳製品や小魚に多く含まれます。

温かい飲み物:カモミールティーやホットミルクなど、カフェインを含まない温かい飲み物は、心身をリラックスさせ、スムーズな入眠を助けます。


一方、就寝前のアルコールは「寝酒」と言われることがありますが、深い睡眠を妨げ、中途覚醒の原因になるため控えるべきです。また、カフェインを含むコーヒーや紅茶は、就寝の数時間前から避けるようにしましょう。

いますぐ実践できる!ふとんの中「リラックス体操」

ふとんの中「リラックス体操」

布団の中でできる簡単な体操も、保坂先生が推奨する快眠メソッドの一つです。身体の緊張をほぐし、心身ともにリラックスさせることで、眠りにつきやすくなります。

ここでは、その中から特に効果的なものを一つご紹介します。

全身の力を抜く「筋弛緩法」

  1. 仰向けに寝て、まずは全身の力を抜きましょう。
  2. 手足の指先から、顔の表情筋まで、全身に力をグーッと入れます。
  3. 5秒から10秒ほど力を入れたら、フッと一気に力を抜きます。
  4. これを数回繰り返します。

力を入れた後に一気に抜くことで、筋肉が緩み、リラックス効果が高まります。


特に肩や首など、日中の緊張が溜まりやすい部分を意識的に行ってみましょう。
この体操は、身体の緊張を自覚し、それを解放することで、自然な眠気を誘います。布団から出なくてもできるので、眠れない夜に試してみてください。

まとめ:今日からできる快眠習慣で人生が変わる

人生が変わる

この記事では、保坂隆先生の『50歳からのこれでグッスリ!!眠りの習慣』を参考に、シニアの不眠症を解消するための具体的な方法を解説しました。重要なのは、完璧な睡眠を求めるのではなく、今の自分の身体を受け入れ、できることから少しずつ快眠習慣を取り入れていくことです。

不眠に悩む方は、どうしても「どうしたら眠れるか」ばかりを考えてしまいがちですが、大切なのは「どうしたら日中を元気に過ごせるか」に視点を変えることです。日中を活動的に過ごすことで、夜は自然に眠くなるという、本来の身体のリズムを取り戻すことができます。

今日からできる小さな一歩として、寝る前のスマホを控える、お風呂の入り方を変えてみる、布団の中で簡単な体操をしてみるなど、一つでも新しい習慣を試してみてください。その積み重ねが、あなたの眠りの質を少しずつ改善し、心身の健康と豊かな毎日へと繋がっていくはずです。

この記事が、あなたの睡眠の悩み解決の一助となれば幸いです。あなたの快眠ライフを応援しています!