
はじめに:趣味がない60代へ、今こそ始めどき
60代になって「趣味がない」「何を始めればいいかわからない」と感じていませんか?
シニア世代や定年後のセカンドライフにおいて、趣味の始め方は人生の充実度を左右する大切なテーマです。
今回は、林望氏の著書『結局、人生最後に残る趣味は何か』をもとに、**人生最後に残る趣味とは何か?**という問いに向き合いながら、60代からの趣味探しのヒントを、筆者の視点からお届けします。
今はYouTubeやSNSなど、趣味を始めるハードルは昔よりずっと低くなっています。「今さら…」と思わず、今こそが始めどきです。
趣味は「暇つぶし」ではなく「人生の余白を彩るもの」

林望氏は、趣味を「暇つぶし」として捉える風潮に疑問を投げかけます。
趣味とは、人生の余白を彩るものであり、本気で取り組むからこそ意味があると語ります。
私自身、50代になってから「趣味って何だろう?」と考えるようになりました。
若い頃は仕事や家庭に追われ、趣味に時間を割く余裕などありませんでした。
しかし、今は違います。時間があるからこそ、自分のために使う時間=趣味が、人生の質を左右するのです。
趣味は「鑑賞型」より「実践型」が残る
林氏は、映画鑑賞や読書などの「受け身の趣味」よりも、**自分で手を動かす「実践型の趣味」**を推奨しています。
たとえば、絵を描く、楽器を演奏する、文章を書く、料理をする。
これらは、自分の中にある創造性を引き出す趣味です。
私の友人も最近、ギターを始めました。最初はコードすら押さえられず苦戦してましたが、少しずつ弾けるようになると、自分の成長が実感できるととても喜んでいました。
この「できるようになる喜び」が趣味の醍醐味なのだと感じています。
趣味は「人間関係」より「自分との対話」
「趣味を通じて友達を作りたい」という声もよく聞きます。
もちろんそれも素敵なことですが、林氏は趣味は人間関係のためではなく、自分自身との対話のためにあると語ります。
趣味は、誰かに見せるためではなく、自分が満足するために続けるもの。
だからこそ、他人と比べる必要はありません。
私も、誰かと一緒にやる趣味より、ひとりで没頭できる趣味の方が長続きしています。
それは、趣味が「自分の心を整える時間」だからです。
趣味に必要な道具は「最良のものを」
林氏は、趣味に使う道具についてもこだわりを持つべきだと述べています。
「余力の範囲で最良のものを選ぶ」ことで、趣味の時間がより豊かになるのです。
たとえば、絵を描くなら、発色の良い絵具や筆を選ぶ。楽器なら、音の良いモデルを選ぶ。
そして今の時代、ネットで情報を調べるのも簡単です。
SNSやYouTubeなど、初心者向けの動画やレシピが豊富にあるため、昔のように「誰かに教わらないと始められない」ということはありません。道具選びも、レビューや比較サイトを活用すれば、失敗しにくくなっています。
趣味を始める心理的ハードルとその乗り越え方

「今さら始めても遅いのでは?」
「続けられるか不安…」
そんな声をよく聞きます。私もそうでした。
でも、趣味に「遅すぎる」はありません。
むしろ、時間と心の余裕がある今こそが始めどきです。
最初は小さな一歩でいいんです。
たとえば、料理なら「卵焼きをきれいに焼く」だけでも立派な趣味の入り口。
手芸なら「ボタンを付け直す」ことから始めてもいい。
大切なのは、完璧を目指さないこと。
「楽しむこと」が目的であり、「上手になること」は結果にすぎません。
趣味がもたらす健康・認知機能への影響
最近の研究では、趣味を持つことが認知症予防やメンタルヘルスの改善に効果があるとされています。
- 手を動かすことで脳が活性化
- 新しいことに挑戦することで記憶力が維持
- 達成感がストレスを軽減
- 日々のリズムが整い、生活習慣が安定
私の母も、70代になってから編み物を始めました。
最初は「目が疲れる」と言っていましたが、今では「編んでいると落ち着く」と言います。
趣味は、心と体の健康を支える大切な習慣なのです。
趣味と孤独感の関係、心の安定について
シニア世代の大きな課題のひとつが「孤独感」です。
家族との距離、友人との疎遠、社会とのつながりの希薄化…。
そんなとき、趣味は心の居場所になります。
趣味に没頭する時間は、孤独を感じる暇がありません。
そして、趣味を通じて得られる達成感や満足感が、自己肯定感を高めてくれるのです。
私も、休日にひとりでギターを弾いていると、時間があっという間に過ぎます。
「誰かと過ごす」ことだけが孤独の解消ではない。
自分と向き合う時間こそが、心の安定につながるのだと実感しています。
趣味を続けるための環境づくり・習慣化のコツ
趣味は「始める」より「続ける」方が難しい。
だからこそ、環境づくりと習慣化が大切です。
- 決まった時間に取り組む(例:朝食後30分)
- 道具をすぐ使える場所に置く
- 小さな目標を立てる(例:週に1回は新しいレシピに挑戦)
- SNSや日記で記録する
私は、ギターをリビングのソファ横に置いています。
目に入ると「ちょっと弾こうかな」と思える。
この「ちょっと」が、続ける力になります。
人生最後に残る趣味は「料理」

林氏が本書の中で最終的にたどり着いた答え、それが料理です。
料理は、年齢を重ねても続けられる趣味であり、創造性・実用性・喜びのすべてを兼ね備えた究極の趣味だと語られています。
- 自分のために作る
- 家族や友人にふるまう
- 季節を感じる
- 健康を意識する
これらすべてが、料理という趣味の中に詰まっています。
私も毎週末に「料理」を楽しむようになりました。
ネットでレシピを見ながら、旬の食材を使って一品を仕上げる。
それだけで、心が満たされる感覚があります。また、家族にふるまい、味の評価をしてもらいます。
今はクックパッドやYouTubeなど、初心者向けのレシピや動画が豊富にあり、昔のように料理が難しい時代ではありませんよね。
料理が教えてくれる「生き方」
料理は、ただ食べるための手段ではありません。
林氏は、料理を通じて「生き方」を学べると語ります。
- 手間を惜しまない
- 仲間と協力して達成する
- 丁寧に向き合う
- 失敗を恐れず挑戦する
- 自分のペースで続ける
これらは、趣味だけでなく人生そのものに通じる価値観です。
私も、料理をすることで「今この瞬間に集中する」ことの大切さを知りました。
それは、仕事では得られなかった感覚です。
まとめ:あなたにとっての「最後に残る趣味」は?

趣味は誰かのためではなく、自分自身のためにある。
そして、日常に根ざした趣味こそが、人生最後まで残る。
50代の私が今、心から感じるのは、
「趣味がある人生は、豊かで、静かで、幸せだ」ということです。
最後に、あなたに問いかけたいと思います。
- 今、何に興味がありますか?
- 何をしていると時間を忘れますか?
- どんなときに「自分らしさ」を感じますか?
その答えの中に、**あなたにとっての「人生最後に残る趣味」**があるかもしれません。
まずは、小さな一歩から。
今日から、あなたの趣味探しを始めてみませんか?