シニアと犬の幸せな関係:人生100年時代の最高のパートナーシップ

谷口優先生の著書『なぜ犬と暮らす人は長生きなのか』 シニアと犬
出典:『なぜ犬と暮らす人は長生きなのか
犬

なぜ犬と暮らすシニアは健康で長生きできるのか?獣医行動学に学ぶメリット

人生100年時代と言われる現代、老後の暮らしに不安を感じている方も多いのではないでしょうか。特に、シニアの一人暮らしや老後の孤独といった課題は、多くの方が向き合っている現実です。

そんな中、最近注目されているのがシニアとペット、特に犬との暮らしです。

「シニアが犬を飼うメリットって何?」 「犬と暮らすと健康になるって本当?」 「高齢者でも飼いやすい犬種は?」

といった疑問をお持ちかもしれません。

今回のブログは、こうした皆さまの疑問にお答えするとともに、谷口優先生の著書『なぜ犬と暮らす人は長生きなのか』の知見を参考にしながら、シニア世代が犬と暮らすことの驚くべき健康効果について、科学的・行動学的な視点も交えながら解説していきます。

犬との暮らしが、単なる癒しだけでなく、健康寿命を延ばし、人生を豊かにする最高の選択肢であることをお伝えしたいと思います。

身体活動量の増加:毎日の散歩が最高の健康投資

犬と散歩

犬を飼うということは、毎日の散歩が欠かせません。この「散歩」という行為こそ、シニア世代の健康寿命を延ばす最高の秘訣の一つです。

なぜ散歩が体に良いのか? 散歩は、無理なく続けられる最高の有酸素運動です。ウォーキングは、心肺機能を高め、血圧を安定させ、生活習慣病のリスクを下げることが科学的に証明されています。特に、糖尿病や高血圧を抱える方にとって、適度な運動は治療の一環にもなり得ます。

犬との散歩は「楽しい」から続けられる 一人でウォーキングを続けるのは、なかなかモチベーションが保てないものです。「今日は寒いからやめておこうか」「ちょっと面倒だな…」と思う日もあるでしょう。

しかし、犬は違います。朝晩の決まった時間になると、「散歩に行こうよ!」とキラキラした目で訴えかけてきます。この強制的な(そして愛らしい)アピールが、私たちを外に連れ出してくれます。雨の日も風の日も、犬の「お散歩に行きたい!」という無言の訴えに、私たちは背中を押されるのです。

また、散歩中は犬が新しい匂いを嗅いだり、他の犬と交流したりする姿を見て、私たちも自然と笑顔になります。運動が「つらい義務」ではなく「楽しい時間」に変わるのです。この精神的な満足感も、健康に良い影響を与えます。

心の健康と孤独の解消:犬がくれる「無償の愛」

シニア世代が直面しやすい問題の一つに「孤独」があります。家族が独立し、日中の時間を一人で過ごすことが増えると、話し相手がいない寂しさや、社会からの孤立感を感じることがあります。

犬は最高の話し相手 犬は言葉を話せませんが、私たちの話をじっと聞いてくれます。嬉しいことがあった日、ちょっと疲れた日、どんな時も私たちのそばに寄り添い、温かい眼差しを向けてくれます。

心理学的には、話を聞いてくれる存在がいるだけで、不安やストレスが軽減されることがわかっています。犬は、私たちに安心感を与え、心の拠り所となってくれる存在なのです。

社会との繋がりを生む「媒介者」 犬の散歩は、自然と近隣住民との交流を生み出します。

「あら、可愛いワンちゃんね!」 「何歳ですか?」 「うちにも同じ犬種がいますよ!」

といった会話は、犬という共通の話題があるからこそ、何の抵抗もなく始めることができます。公園で犬を遊ばせていると、他の飼い主さんと自然とコミュニティが形成され、新たな友人関係が生まれることも珍しくありません。

この社会的な繋がりは、孤独感を解消し、生きがいや楽しみを見つける上で非常に重要です。犬は、私たちを外の世界に連れ出し、新しい人間関係を築くきっかけを与えてくれる「媒介者」と言えるでしょう。

ストレス軽減と脳の活性化:科学が証明する犬の効果

犬と話す

犬と触れ合うことには、単なる精神的な癒しだけでなく、科学的な裏付けがあります。

「幸せホルモン」オキシトシンの分泌

犬を撫でたり、抱きしめたり、一緒に遊んだりすることで、私たちの脳内では「オキシトシン」というホルモンが分泌されます。このホルモンは「幸せホルモン」や「愛情ホルモン」とも呼ばれ、ストレスを軽減し、心拍数や血圧を安定させる効果があります。

この効果は、犬との触れ合いだけでなく、犬の目を見つめるだけでも得られることがわかっています。犬の澄んだ瞳を見つめるだけで、私たちは幸福感と安心感に満たされるのです。

認知症予防にも期待 犬の世話は、脳を活性化させます。

「今日はドッグフードをどれくらいあげようか?」 「散歩コースを変えてみようか?」 「おもちゃをどこに隠したかな?」

といった日常の些細な思考や行動は、脳に適度な刺激を与えます。さらに、犬の表情や行動から気持ちを読み取ろうとすることは、観察力や想像力を養い、認知機能の低下を防ぐ効果が期待できます。

高齢者も安心!ライフスタイルに合わせた犬種選びと飼い方のコツ

犬を飼うことのメリットは理解できても、「高齢になってから飼うのは大変そう…」と不安に思う方もいるでしょう。ここでは、シニア世代でも安心して犬と暮らすためのポイントをお伝えします。

飼いやすい犬種の選び方

大型犬、小型犬

すべての犬がシニア向きとは限りません。体力やライフスタイルに合わせて、相性の良い犬種を選ぶことが重要です。

小型犬

トイプードル、チワワ、マルチーズ、シーズーなど:比較的体が小さく、力も弱いため、散歩や抱っこが楽です。マンションなどの集合住宅でも飼いやすい犬種が多いです。

注意点:骨が細い犬種もいるため、抱っこする際は注意が必要です。

中型犬

柴犬、フレンチブルドッグ、ミニチュアシュナウザーなど:性格が穏やかで、番犬としても優秀な犬種が多いです。

注意点:運動量が豊富な犬種もいるため、事前にリサーチが必要です。

大型犬

ゴールデンレトリバー、ラブラドールレトリバーなど:穏やかで知能も高く、介助犬としても活躍する犬種が多いです。

注意点:体力が必要なため、シニア世代が飼う場合は、介助や散歩をサポートしてくれる家族がいると安心です。

迎え入れ方の選択肢

成犬

子犬から飼うだけでなく、成犬や老犬を迎えるという選択肢もあります。

保護犬を迎える 保健所や動物保護施設には、様々な事情で飼い主を失った犬たちがたくさんいます。彼らはすでに基本的なしつけができている場合も多く、子犬よりも手間がかからないことがあります。また、犬の一生を最後まで見届けるという責任感が、シニア世代の生きがいにも繋がります。

健康管理と日々のケア

犬エサ

シニア世代の健康管理と同様に、犬の健康管理も非常に重要です。

定期的な健康診断:病気の早期発見に繋がります。

食事管理:年齢や体質に合わせたドッグフードを選びましょう。

トリミング・ブラッシング:清潔を保ち、皮膚病などを予防します。

かかりつけ医を見つける:困った時にすぐに相談できる、信頼できる動物病院を見つけておきましょう。

犬が教えてくれる人生の学び:心と絆を深めるパートナーシップ

犬パートナー

谷口優先生の著書なぜ犬と暮らす人は長生きなのか』を読んで、私が最も心を動かされたのは、犬との関係を「単なる飼い主とペット」ではなく、「お互いに支え合うパートナー」として捉えることの重要性です。

著作権保護の観点から、書籍の直接的な要約は控えますが、この本から私が学んだエッセンスを、私自身の経験と重ねてお伝えします。

犬は人生の「教師」である

犬は私たちに、多くの大切なことを教えてくれます。

「今」を生きる力:犬は過去を後悔したり、未来を心配したりしません。目の前にあるご飯、目の前にいる私たちとの時間を、ただただ全力で楽しみます。その姿は、私たちがつい忘れがちな「今を大切に生きる」ということを思い出させてくれます。

無償の愛と感謝:犬は、見返りを求めることなく、私たちに愛情を注いでくれます。ご飯を与え、散歩に連れて行く、それだけで彼らは心から感謝してくれます。この純粋な愛に触れることで、私たちは愛すること、そして感謝することの尊さを再認識させられます。

思いやりの心:犬の行動や表情から、何を求めているのか、何に不安を感じているのかを察しようとすることは、他者を思いやる心を育みます。この思いやりの心は、犬との関係だけでなく、他の人間関係にも良い影響を与えます。

終活としての「犬」を考える

最近、「終活の一環として犬を飼う」という考え方も聞かれるようになりました。人生の最期を一人で迎えたくない、という思いから犬を迎え入れるケースです。

確かに、犬がそばにいてくれることで、孤独感は和らぎ、日々の生活にハリが生まれます。しかし、犬には犬の人生があります。

万が一、自分が病気になったり、施設に入ることになったりした場合、犬を誰に託すか。この「もしも」の時のことを、あらかじめ家族で話し合っておくことが非常に重要です。

また、自分の寿命が犬の寿命よりも短いことを考慮し、信頼できる人に犬の「後見人」を依頼しておくことも大切です。犬の最期まで責任を持つという覚悟と計画がなければ、安易に犬を迎え入れるべきではありません

まとめ:犬との暮らしは、最高の「人生投資」

シニアと犬
シニアと犬

犬と暮らすことは、単にペットを飼うことではありません。それは、自身の健康、心の安定、社会との繋がり、そして何より、人生の豊かさを手に入れるための、最高の「人生投資」だと言えます。

もちろん、犬を迎え入れるには、責任と覚悟が必要です。しかし、その先に待っているのは、かけがえのない喜びと、温かい愛情に満ちた日々です。

私は、50代の今、改めて犬という存在の偉大さを感じています。もし、あなたが人生のパートナーを探しているのなら、あるいは、何か新しいことを始めてみたいと考えているのなら、犬との暮らしを一つの選択肢として考えてみてはいかがでしょうか。

犬は、あなたの人生をより豊かにし、より健康で、より幸せなものにしてくれる、かけがえのない家族となるはずです。

最後までお読みいただき、ありがとうございます。このブログが、皆さまの人生に少しでも良い影響を与えられれば幸いです。